大阪に居住する外国ルーツの青少年を対象にした「2021年度 外国ルーツ青少年大阪・多文化デイキャンプ」が、3月19日(土)に大阪府貝塚市にある大阪府立少年自然の家で実施されました。同キャンプは、大阪市生野区にあるNPO法人IKUNO・多文化ふらっとと、同中央区の繁華街「ミナミ」周辺で活動するMinamiこども教室の2団体が主催し、(公財)とよなか国際交流協会の協力で行われました。多文化ふらっとからは、外国ルーツ青少年が19名、大学生などのスタッフ17名、こども教室からは、それぞれ33名と13名、総勢で82名(こども:52名、スタッフ:30名)が参加しました。
当初2泊3日でキャンプを予定していましたが、大阪府で新型コロナのまん延防止等特別措置が延長されたことにより日帰りの1日キャンプに縮小されました。普段別々の地域で外国ルーツの子どもたちへの学習支援活動に取り組んでいる団体に通う外国ルーツの子どもたちが、ともに参加し交流する機会を持つ取り組みは初めてのことだ。新しい出会いや交流を通じて、外国ルーツの子どもたちの自尊感情を育む機会にするとともに、参加した大人のスタッフ同士のネットワークを広げ、外国ルーツ青少年の支援に向けた組織基盤を拡充することを目的に実施されました。
大阪市生野区にあるコリアタウンと中央区の「ミナミ」からバスで出発した2団体は午前10時30分には現地施設で合流。双方の団体から参加した子どもたちは、最初は少々緊張気味。国や地域などの文化的背景や言語はもちろん、年齢や学校も違う子どもたちの集まりですから当然のことです。そこから事前研修を受けた大学生たちのスタッフがチームリーダとして各グループに入り、自己紹介ゲームなどのチームビルディングが始まります。チーム名を決めて、模造紙にチーム名とメンバーを書き込んでいきます。バースデイチェーンなどのゲームで体を動かしながらコミュニケーションをとっていくと、打ち解けた雰囲気があちこちで一気に広がります。
昼食はアレルギーや宗教上の理由も配慮された豪華な弁当。「黙食」といいながら、結構ガヤガヤワイワイと交流。その後、世界中で人気を博した韓国のサバイバルドラマ「イカゲーム」と題したチーム対抗のゲームが始まりました。「型抜き」ゲームやペットボトルチャレンジゲームの途中では、華やかな歓声や交流が起こります。体育館に場所を移し、中国語や英語を交えた「だるまさんがころんだ」の対抗ゲームや「綱引き」が行われ、体育館中に大きな笑い声や歓声が響きました。
最後は「カタリバ」の時間と称したワークショップです。最初にタイと日本にルーツを持つ若者から来日後の自分の経験や学習支援の場での思いなどを参加者全員の前で話をします。その後、各グループに分かれて自分の日本での生活・学校の様子や悩み、そして今日のキャンプの感想などを語り合いました。最後のクロージングの会では、参加賞として全員にお菓子などが配られました。閉会のあいさつに立ったMinamiこども教室の原めぐみ副代表は、「今日は楽しかったですか?これからも自分のアイデンティティを大切にして元気に学習し生活していってほしい。今回初めて2団体が一緒にデイキャンプを行いました。来年はぜひ、泊まりのキャンプをしましょう!」と締めくくりました。子どもたちは1日の取り組みでしたが、大人のスタッフ以上に思い出深い出来事として心に残ったようです(下記参照)。スタッフの皆さん、お疲れ様でした。心から感謝します。
【感想】(ほんの一部)
・学校ではあんまり友だちができなかったんですけど、このイベントにきてからはたくさんの人たちにあえて、友だちとかもできたので、めっちゃうれしいです!!
・皆と仲良く協力できてとてもたのしかったです。ゲーム全部負けて悔しかったです(泣)。 写真とかいっぱい撮れたし、笑いが止まらないほど、めちゃ良い一日でした。また皆と会えたらいいなと思います。
・本当に一日、楽しかったです。チームでゲームをする中で、きづかいや優しさにたくさん出会えたし、初めておしゃべりして家族の話とか聞かせてもらえて、うれしかったです。カタリバでは学校のしんどさと素敵な人との出会いと、これまでの人生と…を聞いて胸があつくなりました(何度か泣きそうになりました)。また来年、こんな機会がありますように!