「外国ルーツ青少年多文化キャンプ2022」が、年度末の2023年3月30日から31日までの1泊2日の日程で、大阪府貝塚市にある大阪府立少年自然の家で開催されました。同キャンプには、大阪市生野区と富山県高岡市に暮らす外国ルーツの小学5年生から高校生まで29名とスタッフ等17名の総計46名が参加しました。テーマは「SWITCH(スイッチ)」。いつもと違うメンバーと、いつもと違う場所で、いつもと違った経験をすることで、新しい自分のスイッチをONすること。
主催はNPO法人IKUNO・多文化ふらっととNPO法人アレッセ高岡、協力団体は(公財)日本国際交流センター(JCIE)。今回の合同キャンプは、JCIEによる休眠預金等活用事業「外国ルーツ青少年未来創造事業」の一環として、その実行団体である2団体の共催で実施されました。
当日早朝に高岡市を出発したアレッセのメンバー16名と、昼前に天王寺駅付近で合流し、バスに乗り「自然の家」に到着。すぐホールでオリエンテーションが始まりました。生活する地域も学年も国籍やルーツなども違う子どもたちの初めて出会い。最初は少し緊張気味の子どもたちですが、グループ分けのあと、アレッセの高校生たちが中心になりゲームが行われ、一気に打ち解けた感じに。
息つく暇もなく、また別グルーブに分かれて宿舎前から野外散策が始まります。散策とは名ばかりの結構きつい勾配が続く「山登り」。「しんどい~」を連発しながらも、グループごとで助け合いながら片道50分程度の野外散策を無事に終えました。
夕食後は、映画「高岡事件」鑑賞ワークショップを行いました。映画「高岡事件」は、2022年3月に実施されたアレッセ高岡主催の映画製作ワークショップで、外国ルーツの高校生とプロの映画制作者が共同制作した短編映画。映画本編とメイキング映像では、高校生たちが主役で出演し、映画を撮り、生き生きと活躍する様子が表現されていました。映画内容は、各高校生が体験した「事件」を題材にしたシュールな内容。グループごとに映画の場面の解釈や想像などを語りあいながら活発に意見交換をしました。その後、子どもたちは各部屋や懇談室で遊んだり、談笑したり楽しい時間を過ごしました。
翌日は朝から野外炊飯場で、食材の準備や火おこしなどワイワイガヤガヤと協力しながら、昼食用の焼きそばづくり。
昼食後は、バスで大阪市生野区ある多文化共生のまちづくり拠点「いくのパーク」内にあるIKUNO・多文化ふらっとの事務所に移動。そこから隣接する大阪コリアタウンの散策を行いました。アレッセ子どもたち、実はコリアタウン散策をとても楽しみにしていたとか。韓国のエンタメなど韓流ブームはどこでも同じ。多文化ふらっとの子どもたちの案内でコリアタウンでのショッピングなどを満喫したのち富山県高岡への帰路につきました。
アレッセのスタッフからは、「子どもたちのキャンプ参加前後の表情が驚くほど変わった。ホントに楽しかったという感想が多い。来年も、多文化ふらっととぜひ何か一緒にしたい」との感想もいただきました。参加した子どもたちにとっては文字通り、新しい「SWITCH(スイッチ)」を入れる機会となり、エネルギーを満たす機会となったようです。キャンプ実施前から当日夜遅くまで子どもたちに寄り添い、また安全確保のために動き回っていただきましたスタッフの皆様に心から感謝します!