9月24日から27日までの4日間、東京大学大学院人文社会系研究科社会学研究室の学生・院生・教員ら22名が大阪市生野区を訪れ、地域での「社会調査実習」の授業を実施しました。IKUNO・多文化ふらっとは、生野区にあるネットワークを活かし、同区の学校・企業・地域団体・医療機関・店舗などのインタビュー調査の対象の交渉・スケジュール化および調査当日の同行などの地域コーディネートの役割を積極的に担いました。今回の調査に先立ち、5月には当法人の宋事務局長による生野区の社会課題や、多文化共生のまちづくり拠点いくのパークの成り立ちなどについて事前学習も実施されました。
今回の生野区を舞台にした「社会調査実習」は、多文化共生やまちづくり、外国籍住民の起業・福祉・教育などにかかわる、19団体・個人等に関わる多様なテーマと職種に対する調査活動でした。社会学研究室では、当法人によるコーディネート以外に独自ルートでもインタビュー調査を実施しました。
27日午後からは、当法人のプロジェクトの活動にも参加・協力し、NPOスタッフや活動にも触れながら、相互交流と理解を深めました。最終日の夕方には、当法人の森本代表も参加する中、いくのパークにあるレストラン猪飼野で夕食を取りながら、4日間の調査実習についての感想の共有や振り返りを行いました。
学生たちは、「いくのパークを見学し、子どもたちと触れ合い、また多くの多文化ふらっとの職員の方にお話を伺うことができ、大変充実した経験となりました」「インタビュー調査は初めてでしたが、生野区で出会う方々が皆さん、あったかく、とても人情味があるまちでした」など口々に有意義な4日間の感想を語り合いました。
同大学社会学研究室の高谷幸・准教授も「学生が次々に独自のテーマを見つけて調査を遂行していて、生野の地域資源の豊富さを改めて実感しました。多文化ふらっとの皆さんの協力に心から感謝します」と語りました。今回の生野区での社会調査実習は報告書にまとめられ、東京大学社会学研究室と国立国会図書館に収められます。