フィールドフォークのシンガーソングライターとして熊本・水俣で水俣弁のうたや水俣病患者のたちの詩などを歌ってきた柏木敏治さんを招いて、IKUNO・多文化ふらっと事務所で、「柏木さんと土地のうたをうたう @猪飼野ちいさな音楽会」を開催しました。当日参加者は28名に主催者スタッフと文字通り「小さな音楽会」でした。主催は大阪大学COデザインセンター、共催はいくのふらっとだいがく実行委員会、後援は大阪大学人文社会系オーナー大学院プログラム。
激動の時代や社会の不条理に翻弄されながら、その土地に根差して黙々と生き暮らしてきた人々のやりきれない思いや、その土地にまつわる懐かしい記憶などを歌にして表現する柏木さん。参加者は、「はがま」「女島神社の歌」「レクイエム」などの歌に聞き入りました。社会や自分自身のあり方を自省したり、さまざまな思いに耽る不思議な時間と空間が広がりました。
2部は大阪市生野区にある「在日」の集住地域であり、1970年代初頭に地図のない街となった「猪飼野」にまつわる金時鐘さんの詩「見えない町」や宗秋月さんの「猪飼野タリョン」を、大学生たちが朗読しました。最後は参加者からの哀愁溢れる歌も披露され、「ちいさな音楽会」は温かい雰囲気のなか終えることができました。今後も継続開催していく予定。スタッフ、関係者の皆様、ご協力ありがとうございました。