IKUNO・多文化ふらっと主催の「学習サポート教室DO-YA」には多くの様々な言語・文化背景を持つ子どもや若者が通ってきています。それぞれの子ども、若者の帰国・来日の時期や経緯、母語や日本語の状況、これまで学習してきた内容や学び方、保護者の考え方やエスニックコミュニティとのつながりなどは、まさに十人十色、個に応じた支援が求められる現場です。
中でも「ダイレクト」と呼ばれる、母国で義務教育課程を終えてから帰国・来日し高校入学を目指すいわゆる「学齢超過」の子ども・若者は、原則的に中学校には編入できないため、まるでエアポケットに入ったかのように学校や教育委員会などの公的支援の対象にはなりません。自らが日本へ来ることを選んだわけではない彼らは、ごく短い期間で、限られた情報の中、馴染みのない学校制度を理解し、自分たちで受験資格があることを証明するための様々な書類を準備し、教育委員会に通い、教科学習や日本語学習を進めながら、進路選択をしなければなりません。
私たちができることはごく一部。情報提供や教育委員会、学校への同行、学習支援にも取り組んでいますが、決して十分と言える状況ではありません。そのような状況の中、自分を奮い立たせ前向きに取り組む子ども・若者の姿に勇気をもらうことも多々あります。
大阪府立高校では「日本語指導が必要な帰国生徒・外国人生徒選抜」が実施されていますが、急増する子ども・若者の数と、その定員数のバランスが年々取りづらくなってきています。
日本に暮らし、日本社会の一構成員となっていく彼らが、自らが望む将来に全力でチャレンジできるような社会になることを願ってやみません。