大阪・生野発! 多文化共生の希望の種リレートークVOL.2~未来への提言~が、2月8日(土)にいくのパーク多目的室で開催されました。「わかばプロボノプロジェクト実行委員会」(NPO法人IKUNO・多文化ふらっと/府立大阪わかば高校/シミポタ運営事務局)が主催し、当日は対面参加者56名、オンライン参加者37名の計93名が参加しました。
昨年に続き、2回目となった今回の希望の種リレートークでは、①生野区における多文化共生の教育・まちづくりの公民連携による重層的なネットワークをより一層拡充すること、②「異和共生」を掲げる生野区への多文化共生施策の策定と実施に向けた提言につなげること、を目的に開催されました。

大阪わかば高校の大西俊猛校長の主催あいさつに続き、多文化ふらっとの森本宮仁子代表理事が、大阪わかば高校の外国ルーツ生徒をはじめ約400人が参加した中、昨年11月に開催された「いろんなことば&いろんなあそび de いくのっこパーク2024」の実践報告を行いました。
2部のリレートーク&ダイアローグでは、大阪大学教員の今井貴代子さんのコーディネーターのもと、高校、大学、日本語学校、保育園、医院、NPOなど6名の多彩な発題者からの熱のこもったユニークな発表と全体討論が行われました。
大阪府下8番目の「特別入試」を実施する大阪わかば高校の教員の田川ひかりさんは、日本語指導が必要な生徒数が、433人中109人が在籍していること、また大阪大学とも連携している「わかば日本語モデル」、授業の中での地域との関り、3年間を共に過ごして、などについて報告されました。そのうえで、地域との連携を通して包括的に生徒を支える体制づくりについて提言しました。

当法人の事務局スタッフの橋本真菜さんは、ベトナム語の多言語相談をきっかけに昨年11月から始まった「ベトナムルーツの母親たちのための生活の日本語クラス」について報告をしました。
その他の登壇者からの発題も「なるほど」と思わず得心したり、世界の広い視野からの提案など、どれも熱量のこもった報告・提案でした。上記以外の報告者は次の方々でした。
・イカイノ保育園/申容燮さん(副園長)
・ハウディ日本語学校大阪校/古座岩達也さん(校長)
・大阪偕星学園高等学校/太田尚樹さん(専務理事)
・神戸医療未来大学/大西弘子さん(教授)
・ひとひとケアクリニック/中村一仁さん(院長)

最後に報告と提案などをふまえて、生野区長の筋原博章さんと、NPO政策研究所理事・元豊中市副市長の田中逸郎さんから総括コメントをいただきました。こうした議論や実践の積み重ねを通じて、生野区における多様な職種やセクターが参加する多文化共生の地域内循環の仕組みづくりに向けた土壌が育まれていることをリアルに実感できる機会となりました。報告者の皆様をはじめ、すべての皆様に感謝します。